Q: 高速道路で急にストップしてしまいました。事務局長に携帯で教えていただきながら、あれやこれやキャブなども触ってみましたが、けっきょくポイントに火花が散らないことがわかりました。しかしなぜ電気がこないのか、どこが不具合なのかなかなか判らず、結局行きつけの修理屋さんに2時間かけて来てもらいました。よく来てくれたと思います。
 結論はデスビ内の配線接触不良で、押さえるとすぐに勢いよく走り出しました。しかしハンダづけがあまく、同じ事の繰り返しをしながら、自宅まで帰りました。(K氏より)

A:(N事務局長)エンジンが止まる原因は基本的に2つしかありません。ガソリンが来ていないか、プラグに火花が来ていないかのどちらかです。

ガソリンが来ているかどうかはキャブのフロート室を開けてみれば分かります。又はガソリンパイプを外してIGNオンでポンプを作動させれば噴き出すので分かります。

ややこしいのは目に見えない電気です。IGNをオンにすると、電気がコイルを経由してデスビに行きます。デスビではポイントに小さな火を飛ばすのに使われてアースに戻ります。これが1次側の回路(細い普通の電線)です。ここで電気が来ているかをチェックできます。IGNをオンにしてデスビのキャップを外し、ポイントを爪で開け閉めしてやります。小さな火花が飛べばOK。パチッと音がすることも有りますね。この場合は1次側は大丈夫です。
火花が飛ばないときはポイント面を軽くポイントやすりか紙やすりで磨いて見てください。それでも火が飛ばないときは、根本的にここまで電気が来ていません。断線かコネクターの外れか、今回の黒川さんの場合のようにデスビ内部の接触不良ですね。

1次側がOKでしたら2次側(太いコードの方)を調べます。プラグを外して電極に
火が飛ぶか調べてください。これはプラグのネジの部分をアースさせながらエンジンを回さないと行けないのでちょっとコツが要ります。「電気ビリビリ」も怖いし。ここでプラグに火が飛ばない場合、あるいは弱々しい場合は2次側の回路に問題ありそうです。2次側は、簡単に言うと、ポイントに火が飛ぶとそれがコイルで増幅されてコイルから太いコードを通ってデスビの頭に高圧電流が来て、それがローターの回転で各プラブに分配(英語でdistribute=ディストリビュート)されます(だからdistributer=ディストリビューター、略して「デスビ」って言います、余談ですが)。この間の経路をチェックすればいいのです。順番に行くと、コイルの頭の太い線が出ているところ:線を抜いてみて。腐食したりしてませんか。ドライバーの先などでキレイに擦ってシッカリはめ直します。最近、YさんのBのトラブル(上りでパワーが無くなる)はこれが原因でしたね。次はデスビキャップの裏側を見てください。真中のカーボンの短い棒はちゃんとスプリングが利いていますか。プラグへ行く側の電極は多分焼けていますからこれもドライバーで擦ってキレイにしてください。最後はプラグです。しっかり真鍮ブラシでススなどを掃除しましょう。これで強い火花が出るはずです。エンジンはこれだけで随分パワーアップします。

ちなみにこの辺をチェックしたら気を付けないといけないのがプラグコード。2年前のポンテペルレでHさんのTCが極度の不調になりました。原因はプラグコードの接続まちがいでした。2気筒分で暫く走りました!英国車の点火順序は普通は1-3-4-2、これを覚えといてください!

ところで、先日うちのMG1100が調子を崩しました。電気系です。上記を全部チェックしても駄目。そこでコイルを交換、プラグコードも新調しましたが駄目。プラグは比較的新しいチャンピオンを付けていましたが、これを新品の同じ物にすると、あら不思議、直りました。前のプラグは見た目はキレイで、当然ススも掃除してあるのに駄目だったのです。プラグは定期的に換えないと駄目?と思っていると、Mさんの経験談をお聞きしました。その興味深い話は彼にお譲りするとして、長くなるので
この辺で切り上げます。

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