Q: Bのクラッチが切れなくなってしまいました。JAFを呼んだところ、親切な 人でいろいろ見てくれ、クラッチマスターのオイルも入っているし、エア抜きもした のですが、結局その場で修理できませんでした。幸い、家の近くだったので牽引で帰 宅ということになりました。こんな症状について教えてください(M氏)

A:(S氏より)下にもぐって、スレーブ・シリンダー(レリーズ・シリンダーともいいます)が動作するのは確認できているのでしょうか?もし、スレーブ・シリンダーが動作していると仮定すると、可能性としてはクラッチベ アリングの磨耗ないし破損が考えられます。

(N事務局長)MさんのBはウレタンですからクラッチ・スプリングはダイアフラムでしょう。この破損はちょっと考えにくいです。レリーズ・ベアリングがボールベアリングなら、この破損もあまり可能性は無いかも。

Mさん、クラッチは徐々に切れなくなりましたか?それとも突然ですか?

「徐々に」なら、クラッチ板の磨耗も可能性があります。発進時などにクラッチを
滑らせる癖があると磨耗が早いので、2年半でもクラッチが切れにくくなることは
あります。クラッチ板のわずかコンマ数ミリの磨耗(作用点側)でも、クラッチレバー(力点側)は数倍の距離を動くことが必要になり、クラッチを一杯に踏んだ状態(クラッチ・レリーズシリンダーから出ているロッドが目一杯動いた(伸びた)状態)でもクラッチが完全に切れる位置まで行かなくなっているのです。この場合はロッドを延長してやれば直ります。エンジンを下す前にまずこれを試してみる価値はあります。ロッドの自作は、まず今付いているロッドを外し、それと同じような径で少し長いボルト(ホームセンターで売っている建築用の安物で良い)を用意して、頭の部分を真っ赤に焼いて金床と大き目のハンマーでガンガン叩いて平たくし、オリジナルのロッドと似た形にします。後はオリジナルのロッドと同じように穴を開けて、グラインダーで形状を整え、さらにネジ山を削り落とせば完成。オリジナルよりも1センチほど長めから試してみて、もしクラッチを踏んでないのに切れている(または半クラ)なら少し削って短くしてまた試してみます。

「急に」なら、開けて見ないと分かりません。Sさんのご指摘の通り、レリーズ・
ベアリング破損かも(ボール・ベアリングでも破損はしますよ)。あるいはレリーズ・ベアリングを押すレバーが(クラッチ内部の二股になっている部品)が折れているとか。クラッチのアライメントツールは無くても何とかなります。センターが出れば良いので、Iさんのように適当な「棒」を突っ込めばOKです。それよりBはエンジンおろさずギヤボックス/ベルハウジングだけ下から外せなかったっけ?できれば楽なんだけど。

(T氏)僕もSさんやNさんが書かれている通り、レリーズ・シリンダーあたりが怪しいと思います。自分の経験でもレリーズに繋がるホースが劣化してオイルが漏れていたりレリーズ・シリンダーから出ているロッドの問題だった事があります。エンジンを降ろす前に確認される事をお勧めします。クラッチ交換の場合、Bはエンジンを降ろさなくてもクラッチ交換が出来ると聞いた事があるのですが、おそらく個人でされるのでしたら、降ろした方がやり易く確実だと思います。

(質問者M氏より)Bのクラッチ・トラブルの件、皆様、いろいろとお知恵を有り難うございます。今日もまた、KさんとSさんのご協力をいただき、原因を探りました。結局、マスター・シリンダーのスプリングが4つにバラバラになっていることが判明し ました。金属疲労なんでしょうか?このスプリングを交換しついでにマスターとレリーズ両シリンダーのカップも交換、ようやく完治しました。

(N事務局長)直って良かったですね。さて、ここで原因をとことん究明するのが大切です。なぜスプリングが折れたのか(ボクの経験上初めてです)、またレリーズシリンダーのカップゴムに亀裂などがないか、そのあたりで怪しいところを良く調べましょう。構造を理解できていれば、順番に辿っていけば原因がハッキリしてきますよ。

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