Q:6Vを12Vに変えるといいと聞きましたが、どんなメリットがあるのでしょうか。

A:

古い英国車やドイツ車などは結構6Vが有るので12Vに変更する本当のメリットは配線での無駄な消費がさがるので、同じ消費電力の12Vのものへ変えた場合でも、たとえばライトが明るくなったりセルの回りが良くなったりいろんなメリットが出てきます。またもっと消費電力の大きいトラックが24Vを使用している要因もこれと同様です。
以下は電気の話で少し細かな話になりますので興味の有る方は読んで下さい。

簡単に話をすると電圧を上げることで配線に流す電流を下げる事が出来ます。たとえば60Wのヘッドランプを6Vで点ける時の電流を計算すると


W(電力)=E(電圧)*I(電流)

という関係より
I=W/E

となり 

I=60W/6V=10A

となります。
また同じく60Wのヘッドランプを12Vでつける場合は
I=60W/12V=5Aとなります。
これにより電圧を倍にすると配線に流れる電流が半分になるのが分ると思います。

で、なぜ電流を下げるとメリットが有るかと言うと、車の配線には少なからず抵抗が
あります。これにより電流が流れると配線での抵抗によって電圧降下が起こります。
この電圧降下は
オームの法則、E(電圧)=R(抵抗)*I(電流)で求められます。

先ほどのヘッドライトの話に戻して話しますが
(注、分りやすくするため本当の細かな部分での計算は端折っていますのでご了承
くださいね。)
*バッテリーが6Vの場合で60Wのランプを点けた場合
たとえば、配線の抵抗値が0.1Ω有ったとし先ほどのそこに10Aが流れたとする

電圧降下=0.1Ω*10A=1Vとなります。
と言う事は、ヘッドライトには6V−1V(電圧降下)=5Vしか掛かっていませ
ん。
ということは6V→5V=17%ダウン

*バッテリーが12Vの場合
同様に配線の抵抗値が0.1Ω有ったとし5A流れたとすると
電圧降下=0.1Ω*5A=0.5Vとなり
ヘッドライトには12V−0.5V(電圧降下)=11.5V掛かります
と言う事は12V→11.5V=4%のダウン

となり当然12Vの方が無駄な電圧降下分での損失が少なくなり有効に電気を
使う事が出来ると言う事がお分りになると思います。
ちなみにこの電圧降下というものは配線で消費されるので配線が温まり配線の
被服を劣化させたるする原因にもなります。

Bさんよりの追加質問

メチャクチャ分かり易いです。この、電流に関することで質問があります。

12V60Aのバッテリーを積んでいます。現在満充電状態です。60Wのヘッドランプ
を2個付けっぱなしにしました。バッテリーが空になるまでの時間は?

60W/12V=5A・・・・・1時間に5A消費
5A*2=10A・・・・・・・電球2個で1時間で10A消費
60Ah/10A=6h・・・・6時間でバッテリーは空

合ってますか?

A:

Bさんのおっしゃってるイメージで大体合ってます。
でも鉛バッテリーの場合は、取り出す電流や温度によってかなり変化しますので
通常は下記のような決め方をしているようです。

通常、車やバイクのバッテリーは10時間容量という表示をしています。
これは気温25℃で、表示の1/10の電流で10時間放電して最低電圧(12Vの
バッテリーの場合10.5V)以上を保持していることとなっています。
ですのでたとえば12V60Ahのバッテリーを満充電にして6A(60/10)で
10時間
放電して10.5V以上の電圧を保持していることとなります。
このポイントだけの公称値ですのでたとえば10A流して6時間持つかと言うと?
(近い線は出るとは思いますが)分りませんね〜


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